社団法人 日野青年会議所
2007年度 理 事 長 所 信
第35代理事長 守重 昌之
犯罪がない日野をめざして
〜 本質からの変革を考える〜
「このまちに生まれて本当によかった」私は心からこのように感じています。緑豊かで歴史や文化の薫り高く、観光資源や遊び場がたくさんあるこのまちが大好きです。子どもの頃から盆踊りや御神輿、自治会のバス旅行など、地域の活動に当たり前のように参加してきて、多くの思い出がこのまちに詰まっているからです。魚釣りやカブトムシを捕った思い出も、このまちに生まれたからこその大切な体験です。多摩川や浅川、多摩丘陵の自然、多摩テックや多摩動物公園などの観光施設、諸々のものが私たちの身の周りには子どもの頃から当たり前にあって、私たちが豊かに暮らすことの大切さを、自然と教えてくれていたように思えます。それでは今の子ども達は、このまちを一体どのように感じているのでしょうか?
新聞やテレビから流れてくる殺人・汚職・不況・戦争・環境汚染のニュース、私たちは未来に対して「得体の知れない不安」を抱き「このままの政治でいいのか」「これまでの価値観を持ち続けていいのか」と迷っているのが現状なのではないでしょうか。
これらの事態に対して行政は様々な対策を取っているが、なかなか決定打になっていないのが現状です。子どもたちの世界では教育の現場で不登校は当たり前となりつつあり、いじめ問題が深刻化して子どもの自殺者が急増している。子ども同士の殺人事件、親が子を殺す、子が親を殺す「何かが狂っている」「絶対におかしい」そう思っているのは、私だけではないはずです。では、どうしてこんな世の中になってしまったのでしょう。私たちが無くしてしまった物は一体、何なのでしょうか?
最近世間では、元来日本人の心の中にある「武士道精神」の復活が叫ばれています。武士道は鎌倉時代以降、多くの日本人の行動規準、道徳規準として機能してきました。この中には慈愛、誠実、忍耐、正義、勇気、惻隠などが盛り込まれています。それに加えて「名誉」「恥」の意識もあります。名誉は命よりも重い実に立派な考え方です。その昔、外国に行った日本人のその考えや振る舞いは、多くの外国人に尊敬されたそうです。この武士道精神が永年日本の道徳をなしてきました。この「武士道精神」の考えでは法律を犯すことは最も恥ずべき事であり、卑怯な行為になります。私たちは子どもの頃、親や先生から「嘘を付いてはいけない」「卑怯なまねをしてはいけない」「弱いものいじめをしてはいけない」「我慢しなさい」などということを教えてこられました。これは知らず知らずに「武士道精神」が教え込まれていたように思います。残念ながら最近では、自分の子どもを障害者にしてお金をもらう、保険金目的で自分の子どもを殺す等、数え上げたら切りがないほどの理不尽な行為が横行しています。このような行為や、今起こっている犯罪の多くは私たちと同じ世代の人々が引き起こしているのが実状です。それではなぜ私たちの世代がこんなに多くの犯罪を犯してしまっているのでしょうか?
昭和40年代に生まれた私たち世代は、高度経済成長に沸く世の中で、安心して暮らせる家があり、着るもの、食べるものの心配なんてしたこともない、飽食の時代に育ちました。私たちの親世代は自分たちが体験した、戦中戦後の貧しくて惨めな生活を自分の子どもにさせたくない、そのために必死に働き、いつしか親たちも経済至上主義の波に呑まれ「人よりもいい生活」「人よりも高い学歴」が優先されるようになっていき「良い学校に入り、一流企業に入社し、安定した収入、幸せな老後送るために一生懸命に勉強しなさい」と言って私たちを育てて来ました。
私たちが二十歳の頃、世の中はバブル経済の絶頂期で努力も無しに企業に就職、給料も今に比べると、ずいぶん多かったように思えます。高度経済成長の時代からバブル崩壊も併せて、この時代に大きく日本人の価値観が変わりました。悪く言えば、それまで持っていた日本人の価値観が崩壊してしまったように思えます。このころ社会は経済至上主義となり、甘やかされて育ってきた私たち世代は、後から入ってくる若い世代に追い越され、弱い者はどんどん切り捨てられました。社会の脱落者も生むことになってしまったのです。いつしか人々は心も荒み、自分さえよければ他人はどうでもいい。自分の子どもでさえ学校に押しつけ、子どもの出来の悪さを学校の責任にする、そんな無責任で自分勝手な大人が子どもを育てていることを考えれば、社会で起きている多くの犯罪、問題の原因が自ずと見えてくるはずです。学校の責任、社会の責任、政府の責任、といつも誰かに責任を押しつけてきた。私たちが私たちの子孫のために、まず最初に変わらなければなりません。
誰かがつくってくれたこのまちこの国を、今度は私たちが創る番です
私たちは次の世代のために、やらなければなりません
安心して暮らせるまち、犯罪のないまちを創るために
人として守らなければいけない倫(みち)
まずは自分たちから変り
そして日本人の素晴らしさを
家族・友達・地域へ伝えていきましょう
「このまちに生まれてよかった、このまちで育ってよかった」
子どもたちに本当にそう言ってもらえるように・・・・
<地域と共に考える犯罪のないまちづくり>
子ども達が犯罪に巻き込まれないために、地域では子どもの下校時間に大人が見守る等の対策がなされ、犯罪を無くす意識が高まり、実際に犯罪も減っているように思えます。しかし、いくら大人達が子どもを守ってあげても限界があり、犯罪が起きる本質をとらえない限り、犯罪は無くならないはずです。犯罪が起きる本質は何故なのでしょうか?「自分さえよければ他人はどうでもいい」、「法律を犯さなければ何をやってもかまわない」、「誰も見ていなければわからない」今の人達の多くがそう思っている意識が、犯罪が起きる本質だと考えます。「人を思いやる気持ち」や「卑怯な振る舞いはしない」「神様がみている」そういって自分を戒めていた昔の日本人の持っていた意識に変えていくことが、今起きている犯罪を無くす方法ではないでしょうか。しかし、地域全ての人達の意識を変えることは私たちだけでは難しく時間のかかる作業です。そのために、地域の人達と一緒に考え、話し合うことが1日も早く意識変革をするために必要だと思います。
<地域のリーダーになるために>
地域の人達の意識変革を訴える私たちが、まずは人の倫(みち)を実行しなければなりません。昭和40年代に生まれ、甘やかされて育ってきた私たちが、元来日本人が持っていた慈愛、誠実、忍耐、正義、勇気、惻隠の精神を学ぶことで強い精神力を持ち、外国人に尊敬されていた頃の日本人に戻る。そして一人一人が地域のリーダーとして行動することが、地域全ての人達の意識改革に繋がっていくのではないでしょうか。
<まちづくりのための積極的な発信>
青年会議所の活動は社会の裏方と言う人がいます。
裏方とは、表の人達が裏で働いている人の存在を分かっていて、初めて裏方としての役目を果たせると思います。最近、JC活動をする中で「青年会議所ってなに?」とよく質問されます。私たちは「明るい豊かなまち日野」の実現のために時間を割き、頑張っているのにとても残念なことです。今まで(社)日野青年会議所は地域に活動内容を十分に発信できず、社会の裏方としての運動をしてきました。その結果が「青年会議所ってなに?」という現状を作り出してしまったのではないでしょうか。本年度は(社)日野青年会議所の目的や方向性、各例会を通じて訴えたいものや実現した成果を、広報活動を通じて積極的に発信していきます。裏方としての私たちの存在を示すことで、私たちの運動に賛同してくれる人々が増えれば、「明るい豊かなまち日野」の実現が1日でも早く達成できるものと考えます。
<共に運動できる仲間づくり>
青年会議所の大事な活動の一つが会員拡大です。素晴らしい志を持っている団体でもメンバーが少なくては、地域の人達には十分に届きません。多くの仲間をつくり、同じ志を持った人達が地域で行動し発信していけば、私たちの考えるまちづくり運動が浸透していくはずです。日野市内には、まだ多くの人達が「このまちのために何かをしたい」「子ども達のためになんとかしたい」と思っています。私たちはそんな人達に呼びかけをして「明るい豊かなまちづくり」を共に運動してくれる仲間をつくっていきます。
<交流をつうじて>
(社)日野青年会議所では地域の人達、団体、行事などに積極的に働きかけ地域の人達が、どのように考えているのかを見据えた上で私たちの運動を発信し、そして(社)日野青年会議所が目指す「明るい豊かなまち日野」を伝えていきます。またJC運動を陰で支え、一番の協力者である家族との交流も我々にとって大事なことです。最も身近な家族にまず、JCで学んだことを伝え、JC運動を理解してもらうことで、家庭から地域へJC運動を発信できるのではないでしょうか。
メンバー同士の交流も積極的に行います。JC運動をするためにはまずお互いを信頼することが重要です。メンバー同士が真の友情を築き交流することで、お互いが成長していくことになっていきます。
<創始の精神と高い志>
翌年(2008年)に(社)日野青年会議所は35周年を迎えるにあたり、多くの先輩達が苦難を乗り越え、築き上げて来たこの青年会議所の歴史を学び運動を見つめ直し、35周年を迎える準備をします。またこの節目の年に「東京ブロック会員大会」が日野の地で開催されます。東京都内24青年会議所が集まり、首都東京から日本を変える運動を発信し、市民意識の変革を訴える「東京ブロック会員大会」を日野の地で開催することは、(社)日野青年会議所にとっても日野市民にとっても、大変に価値のあるものだと思います。翌年に会員大会を主管するにあたり、日野JCメンバーが会員大会をする意義を理解し、一人でも多くの日野市民に来ていただけるように、準備を進めてまいります。
<むすびに>
2007年度第35代理事長の役職をいただき、まず最初に私が取り組みたかった事が子どもたちを犯罪から守ることでした。私には7歳の娘がいます。今世間で起こっている事件や犯罪にいつ私の子どもが巻き込まれてもおかしくない現状。どうすれば子どもが巻き込まれないか考えました。いくら子どもに「知らない人について行ってはいけない」「車に注意しなさい」と言っても、犯罪は子どもだけでは防げないし、親だって一日中子どもを見守っていることは不可能です、地域の人達に見守ってもらうことにも限界があります。安全のはずの学校での殺人事件、飲酒運転による死亡事故、全てが法律で守れなかった尊い命です。自分たちの家族を失ってからでは遅いのです。どうかお願いです私たちと一緒に変わりましょう。
将来の子ども達が「このまちに生まれてよかった」と言えるように・・・・・・
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